どっちだっていいか 満月だ

カテゴリ:音楽( 22 )

WE STILL LOVE YOU 2014

20年前、私は素晴らしいアルバムに出会ったんだ。
20年経った今・・・強くそう感じている。

1994年8月31日。
小沢健二のアルバム『LIFE』が世に出た。
20年後のその日にあった、
20周年を記念したスぺシャの特番が素敵すぎた。

たくさんの人の思いで溢れてた。
たくさんの人に思いっきり愛されてた。

最後に流れた本人のコメントには、
じーんと胸が潤んでしまった。
いい話だった。
視点。知的さ。流れるような文体。
・・・全てが、オザケンって感じがして、
胸の奥がツーンとなった。

繰り返される日々の暮らし。
確実に流れてゆく時間の中で、
こんな風な優しさを持って生きていきたいな。
そんな穏やかな気持ちにふわりと包まれた。

少しずつでいいですから、
音楽活動を続けて下さい。
・・・そう、心から願ってた。

ありがとう
幸せな優しい気持ちにさせてくれて。
20年後の素敵な夕べに。
感謝を込めて。
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by kurin1022 | 2014-09-03 19:22 | 音楽 | Comments(0)

LIFE IS COMIN' BACK

10年前の僕らは胸をいためて「いとしのエリー」なんて聴いてた
ふぞろいの心は まだいまでも僕らをやるせなく悩ませるのさ


・・・胸をいためて「いとしのエリー」を聴いてたのは、
もう30年も前のことなのね、と改めて思う。


3月に16年ぶりにTV出演された小沢健二さんを観た。
個人的には、ビジュアルは昔よりうんと好みの素敵な男性になってた。
年を重ねたその顔は、優しくて爽やかでインテリジェントで。
話し方や佇まいは、穏やかで温かかった。

長く続けられた「いいとも」を終えられるタモリさんに、
「長い間、お疲れ様でした」という言葉を、
丁寧に心から贈りたい、という思いで彼は来日されたんだ。
・・・そう、感じた。

「お疲れ様でした」という敬意をこめた温かな言葉が、
何度も何度も体中から滲み出ていた感じだった。

・・・そして、大切な自身の歌を届けるために。
「いいと思う歌詞は小沢くんだけ。あれは生命の最大の肯定の歌」
昔、照らいもなく率直にそんな絶賛の言葉を贈って下さったタモリさんに、
大切な歌を心をこめて贈りたい・・・そんな彼の思いを感じた。


正直言って、声はあまり良く出ていなかった。
「オザケンは、歌は上手くないよ。でも味があるんだ」
爆笑問題の田中さんが以前、愛情をこめてそう表されていた。
・・・言い得て妙。

上手いボーカリストなんて星の数ほどいるし、
「なんだか、わからなかった」って率直な感想をくれた若者の、
言葉の奥のそれさえも、私にはよくわかってしまう。

彼の歌って・・・なんだろう。
時折、思い出したように「LIFE」を聴く。
包まれてしまうこの大きな「多幸感」って・・・なんだろう。
聴くとたちまちウキウキしちゃうこの感じ。
体中で歌っちゃうようなこの感じ。
・・・凄いアルバムだな、と改めて感じる。

20年前から「LIFE」は擦り切れるほど聴いてきた。
詞の凄さは時が経つほどに強く感じられた。
メロディと詞の相乗効果の凄さも。そして、この声の魅力も。

私は声に惚れないと、そのアーティストに触れることは一切ない。
けれど、オザケンのこれだけは別だった。
・・・声もビジュアルも好みではなかったから。
(よって・・・「王子様!」と黄色い声を上げたことはナシ)

聴いてるうちに離れられなくなってた稀有な盤。
・・・別物なんだよね。
それは、きっと・・・私だけではない。
今やこのアルバムを聴くと、
「崇高さ」にも似たオーラを感じずにはいられない感慨に、
多くのジャストの人が包まれてしまうんだろうな・・・と感じている。


「いいとも」では、ギターを弾きながら、
丁寧にタモリさんに歌を贈った。

南米での暮らしや旅の話。子供が出来たこと。
16年の歳月のことを和やかに談笑されていた。

が・・・「タモリさんとそして番組のスタッフの皆さんに」と言って、
ギターを優しくつま弾き歌い出した途端に、
流れる風が脈を打った。
私もTVの前で息をのんで聴き入ってしまった。

左へカーブを曲がると 光る海が見えてくる
僕は思う! この瞬間は続くと! いつまでも


「生命の最大の肯定」と絶賛されたタモリさんが好きなこの曲。
「さよならなんて云えないよ」を歌いだすと、
小さく「おっ!」と感嘆の声を上げられたタモリさん。
優しくはにかんだオザケンの顔を観ていたら、
キュンと胸が揺れた。ジーンとなった。

素敵な歌だった。
心のこもった美しい歌だった。
優しくて温かな歌だった。
なんだか泣きたくなってしまった。
せつなくてせつなくて胸が痛むほどに。

優しい「いいとも」の時間が穏やかに流れてた。
じっと聴かれていたタモリさんの顔を観て・・・
また泣きたくなった。


もちろん会場にお客さんはいたのだけれど、
二人だけのまあるい空間の中にあって、
時が経った今、こうやってお互いの幸せを感じ合いながら、
そんな喜びを気負いなくゆったりと話されていた。

「幸せな大人たちの画」がそこにあった。
観ていたらこっちまで幸せな気持ちに包まれていた。
タモリさんとオザケンの少し老けた横顔は、とても優しかった。

彼はリリースされたばかりのアルバムの話には、
最後まで一切触れることはなかった。
歌い終わった後に照れたような笑顔で、
ぺロッと舌を出してみせたかつての「渋谷系の王子様」は、
素敵な大人になってた。


「LIFE」を聴いた20年前は、
「ライブに行きたい」という気持ちは抱かなかった。
・・・20年経った。「LIFE」を聴くたびに、
彼のライブを観てみたいな、と熱望している今の自分がいる。
今度あったなら、絶対に行ってみたい。

彼の「ひふみよ」のサイトを時折覗いてみる。
(時に難しいけれど)「読み物」の彼の文章を読むのが好き。
彼が綴られたこんな文があった。

「海外にいる邦人って、仕事の都合とかで、意外とオンラインでは
 日本語環境と切れないでいる人が多いのですが、
 僕は意識的に離れていて」
「どうしてですか?」(・・・とうさぎは問う)
「そういう役割なのかなあ、と・・・」

やっぱり、私にとってオザケンは、
昔も今もずっと・・・カリスマ過ぎて遠い人だ。

けれど・・・久しぶりに触れたオザケンは、
優しくて大きくて温かくて人間くさくて、
笑顔が素敵な大人だった。
なんだかちょっとだけ近くにいるような、
そんな気さえした。

「LIFE」(改めて思うに凄いタイトル)を楽しんでいる、
しなやかな生活人の趣きの大人の彼は、
原宿やプラダなんて響きの香りからは遠く・・・
どこか土の匂いがした。温かな風の匂いがした。

20年の時間そのものが、なんだか愛おしく感じられた。
そんな感慨に包まれた、優しいお昼の時間だった。


「ひふみよ」の中で彼はこんなことも話されていたっけ。
なんか・・・印象に残った言葉だったな。

「小沢健二の専門みたいになるのは、
 やめたほうがいいと思う。
 僕なんかよりも、もっと楽しいことがあると思うし」
「みんなそれぞれの暮らしがあるんだから、
 それぞれの暮らしを生きましょうよ」

大いに同感。大いに共感。
まさに・・・(今の)オザケンって感じがした。

毎日の暮らしに色を添えてくれるいくつもの音楽を楽しみながら、
たくましくしなやかに、そしてしたたかに、
私は自分の暮らし「LIFE」を生きていく。


そして毎日はつづいてく 丘を越え僕たちは歩く
美しい星におとずれた夕暮れ時の瞬間
せつなくてせつなくて胸が痛むほど




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by kurin1022 | 2014-07-02 15:18 | 音楽 | Comments(3)

glory days

音楽界の加瀬亮。
・・・こう表するのが、ぴったりな感じがして。

飄々とした空気感をまとっていて。
どこか掴みどころがない感じがして。
そして・・・上手い。

「上手い」なんて陳腐な言葉では言い切りたくはないけれど、
加瀬亮のその演技と同様に、
彼の歌は・・・上手い。

だって・・・
飄々としたその歌声を飄々と聴いていると、
いつしか胸の中にすっと入り込んでいて、
いつしか胸の奥までしっとり潤っているのだから。


渡ってゆく風が心地いい穏やかなこの季節に、
私はこの人の歌声ばっかり聴いている。
・・・くるりの岸田さんの歌声。

彼の歌声が五月の優しい風に乗って聴こえてほしい。
ここんとこずっとそんな気分が続いている。
彼の歌声以外、世の中には必要ない・・・今はそんな気分。


岸田さんが最近こそっと始めた(?)日記を読んだ。
「まえがき」からいきなり・・・
心臓をぐしゃりとされてしまった。
心がぐらりと大きく揺れた。

以前もここで書いたけれど、
私は彼の綴る文章が好き。

こそっと綴られた文章は、昔の「岸田日記」に近い感じで。
いつものように真摯に語るその姿に、胸が熱くなった。

素朴で知的な文を綴る人。
もともと立命館大出のインテリの彼だけれど、
頭がいい人だなって思う。
そして・・・真面目で正直な人だなって思う。

彼の想いを真っ直ぐに語った文章を読んで、
せつなくなったり、優しい気持ちになったり、
泣きたくなったりもした。
いろんな感情でごっちゃになった。

ありがとう、話してくれて。
友達ならば、そんな言葉を掛けたい気持ちになった。

もっとも、自称偏屈者の彼からは、
「別にあなたに話したわけじゃないし」なんて、
眼鏡の奥で優しくニヤリと笑いながら、
そう言われちゃいそうだけれど(笑)。


そして・・・もうすぐくるりのライブ。
彼の歌声にやっと会える。

初めて生で聴くその飄々とした歌声からは・・・
どんな景色が見えてくるのだろうか。
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by kurin1022 | 2014-05-22 16:56 | 音楽 | Comments(2)

ロックンロール

今月で職場を去る24歳の彼女。
「ちゃんと話しておきたいんです」と、語ってくれた。

高齢者の介護の職を、一旦離れるんだという。
「障害者の介護の仕事もいずれやってみたいと思うけれど、
 その前に“食”についてちゃんと学びたいんです」と話した。
調理の仕事に就き、調理師をとって、オーガニックを学んで・・・。
可愛い目がキラキラしてた。

震災がきっかけだった、と語った。
これから子どもも生まれるだろうし、と。

「“最期まで食べることの喜びを”って、
 よくカンファレンスでくりんさんが話してくれるけれど、
 “食べること”ってほんとに大切なんだとつくづく思った。
 オーガニックのこととか自分なりに勉強していて。
 ちゃんと学んでおきたいんです。
 たった一度きりの人生ですから」と真っ直ぐに話した。

今まで振り返ることもなく、ただ前だけ向いて生きてきたけれど、
震災の後に初めて立ち止まっていろんなことを考えたんだ、と。

それ以上は詳しくは聞かなかった。
話してるうちに彼女の目が潤んできたので。
あなたならどんなことでもやっていけるよ、と思った。
そんな仕事ぶりの彼女だった。

「くりんさんの好きなCDを一枚焼いて下さい」とせがまれた。
“若い彼女に贈る歌”・・・迷ったけれど、
くるりの『ロックンロール』が入った盤にした。

たった一かけらの勇気があれば
ほんとうのやさしさがあれば
あなたを思う本当の心があれば
僕はすべてを失えるんだ

晴れわたる空の色 忘れない日々のこと
溶けてく景色はいつもこんなに迷ってるのに



震災で受けた痛みは人それぞれだ。
私には計り知れない気持ちが、たくさんの方々にある。
軽々しく「収束した」とか・・・何言ってんだか、って思う。
“忘れたいこと”はあるけれど、
“忘れちゃいけないこと”を・・・強く思う。

次に東北を周る時には、できる限り細かく周って、
いろんなところで音楽を届けたいと思っている。
やっと、音楽が楽しめるようになってきた人もいるんだ。

            (2013年10月27日の“岸田日記”より)

震災の日のすぐ後に“岸田繁の風呂ロック”が予定されていた。
私もチケットが手元にあった。
私はまだ岸田さんの歌声に会えていない。

来年は、くるりを観に行こう。
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by kurin1022 | 2013-11-21 18:25 | 音楽 | Comments(5)

DONT LOOK BACK

「おはよう」と目覚めて、仕事に行って、
「ただいま」と誰もいない部屋に帰って、夕ご飯作って、
「おかえり」と言って、そのうち口うるさいママになって、
「この歌いいんじゃん」と娘と一緒にお菓子食べて(だから太って)、
塾に送って、夫と二人きりで会話があるようなないような時間を過ごして、
塾に迎えに行って、娘と一緒になにか食べて(また太って)、
お風呂に入って、「おやすみ」と言って、「おはよう」と目覚める。

平凡な一日が繰り返される中で、
“ちいさな幸せ”をチマチマ見つけてやり過ごしてる。
今日の“ちいさな幸せ”は・・・これでした。

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ボブ・ディランの映画『DONT LOOK BACK』のDVD。
これ・・・刺激的だった!そして・・・若き日のディランのカッコいいこと!

馴染みの店のオヤジ(敬意と愛情を込めてそう呼ぶ)が貸してくれました。
オヤジの中古CD屋巡りも、けっして無駄ではないのですね。
まさか・・・オヤジがこれを持ってたなんて!
今度の女子会は、「肉!」って(私の)一言で
新しいステーキ屋に行きますが(すみません)、
今度またデカい宴会持っていきます。ありがとうございます。

・・・ということで、ディランの『DONT LOOK BACK』ですな。
と言っても・・・私、ディランは全然詳しくありません。
でも、これはずっと観たかったんだよね。
「カッコいい」って聞いていたので。

1967年。初のイギリスツアー(1965年)のドキュメンタリー。
モノクロなタッチ感がなんともいい感じ。
もう、オープニングで完全にヤられました。
『Subterranean Homesick Blues』で、
歌詞の書かれたカードを無表情に次々と投げ捨てるシーン。
そのふてぶてしさったら・・・ほんとカッコいいんですわ。

ベテラン記者や学生相手に、その言動が気に入らなければ、
とことん言葉によってやりこめる。哲学的ですらある。
若いディランは、(チョー)神経質だし生意気だしふてぶてしい。
で・・・その佇まいがなんともカッコいい。

バンドメンバーにも怒鳴りつけるしね。
「お前らがいるから俺が叩かれるんだ!出てけ!」って喧嘩するし、
縦横無尽っぷりが若いですな。眩しいほどに。
『くよくよするなよ』『時代は変る』などの名曲も聴けた。
なんか自分の中でストーンと落ちた感じがした。
ああ・・・楽しかった!


観た後・・・なんだか私は彼のことを考えていた。
あの日、彼のライブでピアノ弾きがピアノを弾か(け)なかった。
どこか心の中で不調和音が響くようなステージを観た客は、
心のやり場を求めさまよっていた。

例えば、会社が大きな間違いや失敗をしたなら相手に謝る。
よって、観客に説明すべきとの声も大きかったし・・・炎上した。
私はピアノ弾きを観に行ったわけではないし、
ライブは「いま」で、悔しくてもその時の「いま」は取り返せないから、
弾かなくなったピアノ弾きのカバーで
渾身のギターを見せてくれた彼の姿に満たされてた。
ほんとうにきれいな音だった。泣くような音だった。彼の姿も。

長い間、多くの人から愛され続けてきた彼のステージだった。
彼にとってもいいステージにしたかったというオーディエンスの気持ち。
すごくよく分かった。彼は、ほんとに愛されてる。

私は、彼のステージは彼のものでいいよ・・・と思ってた。
ジェントルマンの彼は、若き日のディランみたいに、
怒鳴りつけたりはしないだろう。
きっと最高のステージを観せられなかったことを悲しんだろう。
そのライブはツアーのラストだった。
ライブの直前に語った彼のボイスを見つけた時から、
きっとそんな感慨でいたんだと思う。

「ステージ上のシンガーは、盛り上げ創り上げてくれた存在であって、
 生身の自分自身とは少しかけ離れていると感じながら、
 自分に与えられた機会を活かし、
 温かい時間と空間を作るべく努力しました」

彼の言葉は胸にささっていた。
長く彼を観てきたから、衝撃的でもあった。
同時に彼らしいな、とも。

長ければ長いほど、オーディエンスの期待は大きいのかな。
あなたがあなたである限り・・・満足出来る自信だって、
長ければ長いほどあるのにな。
あなたがステージに立てばあなたでしかないし、
あなたの放つ空気感はあなた以外にはない。
ステージは、もうあなたのものでいいのに。
そんな気持ちに、あれからずっと包まれている。
キュンとした矢は、胸の奥にささったまんまだ。


私はディランみたいに哲学的に語ることは出来ないけれど、
ちゃんと言葉で伝えたいと思う。
話したいことがちゃんと伝わらず誤解を招いてしまったり、
知らないうちに時に人を傷つけてることだってある。
とても悲しくなってしまう。どうしてこうなっちゃうんだろう。
黙ってしまえばいいのかな。

ちゃんと言葉で心を伝えられる人になりたいな。
ほんとうにそうなりたいな。
チマチマ答えを見つけてる。
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by kurin1022 | 2011-11-09 15:17 | 音楽 | Comments(5)

ぼくらが旅に出る理由

仕事から帰る車の中で、
ラジオから懐かしい曲が流れてきた。

『ぼくらが旅に出る理由』

小沢健二のアルバム『LIFE』の中にあった曲のカバー。
「心がわりは何かのせい?」・・・ああ、懐かしい。

フジファブリックの総ちゃんの歌声は、
爽やかで真っ直ぐな強さがあって。
清々しい透明な爽やかさは、
時折キュンとせつなくさせたりもする。
いいね、とっても。


小沢健二が、フジファブリックに贈った言葉を読んだ。

大切な友人をなくしたと聞いたけれど、そんな時に、
少しでも力になれる矢をつくっておくことができたのなら、
彼らが投げようと思う矢を渡すことができたのなら、
それ以上のことはありません。
思いっきり投げてくれて、ありがとう。



若者たちが思いっきり放ったその「矢」は、
胸の奥に真っ直ぐに飛びこんできて、
何かが刺さっていった。
まぶしさと懐かしさに包まれて、
やがて静かに黄昏れていった。
初秋の夕暮れの日に。


ぼくらの住むこの世界では
旅に出る理由があり
誰もみな手をふってはしばし別れる

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by kurin1022 | 2011-10-04 21:17 | 音楽 | Comments(2)

初夏の風に吹かれて

先週末の土曜日。
浜田省吾の“僕と彼女と週末に”の歌詞が、
新聞広告の一面に大きく載っていたのを観た。

震災から三ヶ月が経った。
感情的な言葉や「がんばろう!」は、もういらない。
1981年に書いた彼の詞に・・・また今、胸を打たれた。
ずっと・・・この人は変わらない。

昨日、せっちゃんのFC会報誌が届いた。
“雨宿り”という新しい歌の詞を観た。
“レクイエム=鎮魂歌”だという紡がれたその詞に、
鼓動が高鳴り、きゅんと泣きたくなり、心に刺さって、
胸が苦しくなってる自分も同時に観た。


最近の私は、どんどんテレビを観なくなってる。
テレビ、ネット、本、新聞・・・メディアの“見せる”情報の基準。
違うモノだとは思ってはいたけれど、
ここまで「違う」と実感したのは、3.11からだった。

せっちゃんのUstreamライブを観て、
こういう素敵なモノがどんどん増えてくると、
ますますテレビから遠くなっていくな、と思ったっけ。

“6.11脱原発100万人アクション”もライブ中継されてた。
デモって・・・郊外に住んでる私にとっては、
“あとで新聞で小っちゃく報道されるモノ”というイメージだった。
インターネットというメディアでずっとデモが流れているなんて、
ここまで変わったのか!・・・というちょっとした驚きもあった。

デモ体験は・・・一度もない。
勝手なイメージでは、原発のデモはちょっと前までは、
ヒッピー的な方が主流のモノってイメージだった。
交通がマヒし警備の仕事をしなくちゃいけない人たちを観ては、
「声高に表現しなくても・・・」ってどこか冷めた目でいたのも事実。
今は違う。たくさんの人が思ってる。誰もが同じことを思ってる。
あとは、進むべき道を分かり合えるかどうかってこと。


ライブ中継では、6.11のテーマソング“ずっとウソだった”が、
繰り返し流れてた。

“自戒の念”が凄く強かった。
今までろくすっぽそんなことも考えずに、
享受を謳歌してきてしまった自分に凹んだ。
こんなことになり、今まで気持ちが風化して過ごしてきたことや、
「ゲッ!」って思って気づいた自分に・・・。
今回ばかりは、自分の中でもみんなの中でも
「このままではいけない」という気持ちを風化させないようにしないと。
・・・せっちゃんは、訥々とそう語っていた。

「ずっと騙されてきて、ずっと享受してた自分も悪いんだ」って気持ち。
そんな理性ってヤツで自分の気持ちをなんとか収めようとしてた私。
ライブ中継をぼんやり観ていた。
せっちゃんのこの歌が、今まで聴いた中でいちばん、
すんなり私の中に入ってきた感じがした。

新しく出てくる日々の報道。
そんな!ひどすぎるじゃない!今まで「ない」と言ってたのに。
あんなに「ない」「大丈夫」って言ってたじゃん!
「実は大丈夫じゃなかった」って・・・そっちこそ後出しジャンケンじゃん!
その場しのぎばっかり・・・私ってまた騙されちゃったの?
ライブ中継を観てたら、そんな怒りの気持ちが静かに湧いてきた。
「デモしたい」って人の気持ちが、初めて分かった気がしたな。

もう・・・主催者の岩上氏とせっちゃんの会話には笑うしかなかったもの。
「ずっとウソだったんだぜ」って、
なんか彼らが全力で斉藤さんの歌のプロモーションしてくれてるの?
むしろ後押ししてくれてるの?って感じだよね・・・ってトコ。
せっちゃんも、「ありがとうございます」とニヤリ。
その後、「シャレになんないですよね」と静かに笑って続けた。


ライブ中継で、せっちゃんのインタビュー(冒頭)が流れてた時、
私はのんびり・・・ミスドの“焼きド”を買ってたっけ。
あとで、そんな放送が流れたんだと知った。
井上陽水の“傘がない”が、ふっと頭の中で聴こえてきた。

「“傘がない”の二番の歌詞のようにはしない」
筑紫哲也氏は、自身の新番組で抱負をこう語り、
それを観た陽水は、「この人、分かってるな」と感じたという話があった。
そんなことも思い出し、しばらく“傘がない”が鳴り止まなかった。

「それはいい事だろ?」と迫る陽水のシニカルな詞に、
「思考停止の悦楽主義者」と放つせっちゃんのエッジの効いた詞に、
「昨日の絵の具で 破れたキャンバスに 明日を描く愚かな人」
淡々と語る省吾の強い詞に・・・心がぐらりと大きく揺れた私。

いい詞に出会えた時って、同時に新しい自分も観るね。
自分が生きてる中で、歴史を変えるべき時があるならば、
きっと今なんだろうな・・・とも感じている。


せっちゃんの「息子」「子ども」という言葉。
会報誌やインタビューで幾度も観たっけ。
・・・いいね、なんかこういう感じ。

初夏の風は、ほんとに気持ちいい。
なんか・・・元気もいっぱい吹いてきた。
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by kurin1022 | 2011-06-14 16:21 | 音楽 | Comments(7)

武道館ベイべー!

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トリビュート・ライブは、彼がもういないってことを、
改めて確認することになるから行かないよ。
・・・そんな声をいくつも聞いていた。

「忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 
 日本武道館 Love & Peace」


“多摩蘭坂”ってこういう歌なんだ。長い曲なんだね。
だから一曲だけしか歌わないんだね・・・なんて思っていた。

実は、“君を呼んだのに”も入っていたことも知らずに、
ハナレグミの潤んだ歌声にうっとり耳を傾けていた。
そんな能天気な聴き手の輩(私のような)ではなくて、
青春時代とかに彼の歌に浸り支えられてきたような方は、
今どう聴いているのだろう・・・そんなことを思っていた。

キヨシローの命日、5月2日。
たくさんのミュージシャンの最後に、
“いい事ばかりはありゃしない”を歌った
ザ・クロマニヨンズのヒロトが叫んだ。
「今日はここに出れて本当に良かった。
 この後は、いよいよ忌野清志郎の登場だ!」

フィルムの中のキヨシローを、ずっと観ていた。
シャウトするトコも、がなるトコも、ソウルフルな歌声も・・・
やっぱり“キヨシロー”を歌えるのは、キヨシローなんだ。
もういないんだよね・・・会場の空気がそんな感慨に染まった。
最後は、そんな静寂に包まれたような時間だった。


この日、出演したたくさんのミュージシャンの中で、
圧倒的な存在感と光を放っていたのは、
まぎれもなく・・・CHABOだった。
こんなカッコいい60才は、私は他には知らない。

「RCサクセションがきこえる」とCHABOが歌う。
その優しい歌声に・・・胸の奥がツンとなる。
宮沢和史の“ぼくの自転車のうしろに乗りなよ”に添えた、
ざっくりしたアコギの音。泣きたくなるくらい素敵だった。

そして・・・この日、私にいちばん届いた曲は、
“世界中の人に自慢したいよ”だった。
東北のことを、キヨシローのことを、
世界中の人に自慢したいよ・・・と歌った。
サンボマスターの歌声に、涙が溢れてしまった。


「震災の翌日がチケットの発売日だったんだよ」
・・・誰かがステージで話していたっけ。

あの日から、もうすぐ二ヶ月。
TVのニュースや新聞を見て、
毎日一回は涙を流している感じ。

こういう時にエンターテインメントを楽しむことに、
罪悪感を持つ気持ちがずっとあった。
でも・・・行って良かった。
5時間40分に及んだロックン・ロール・ショーに参加出来て、
ほんとに良かった。

会場でも、仕事をするたくさんの人に会った。
もし自粛してしまうと、その多くの仕事は失われてしまう。
今はみんなが元気に働かなきゃ。
明るく活動的にならなきゃ。それしか出来ないんだもの。
そんな強い気持ちに包まれていた。

音楽ってすごい。
ロックン・ロールの無限のエネルギーの放出を浴びて、
こんなにも元気になれてる自分がいた。
・・・キヨシローって、すごいや。

ラストに、“雨あがりの夜空に”を歌う時、
「キヨシローの圧倒的なパフォーマンスの後で、
 どう歌っていいか分かんない」と語ったトータス松本。
熱いフィルムライブを観た後の、正直な気持ちだろう。

キヨシローが、遠くに行ってしまったことは事実。
あのシャウトもパワフルな歌声も、誰にも真似は出来なかった。
でも・・・あの日感じた湧き出るような力も、
まぎれもない事実だった。

あなたが残してくれたもの。いっぱい感じたよ。
こんなにも大きなエネルギーを放ってる。
こんなにも大きなエネルギーを、
たくさんの人に、ずっとずっと放ち続けてる。
肌で感じ体中で受け止められた。
行って良かった。


もう、あなたがいなくなることはないのだから、
これからゆっくりと聴いていきます。

今は、ほんとにしんどい時だけど。
ラブとピースは、気が遠くなるくらい重いけれど。

ねえ・・・キヨシロー。
あなたのその溢れんばかりの大きなエネルギーを、
ニッポンの代替エネルギーにしてみせてよ。
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by kurin1022 | 2011-05-08 20:41 | 音楽 | Comments(8)

スガ シカオの“約束”

偶然ラジオから流れてきて、
車の中で聴いたのが最初。
ちょっと前に、彼の新曲が出るってことは、
シカオフリークの友人から知らされていた。

歌い出しの彼の擦れ声が耳に届いた時・・・
心がぐらりと揺れ、なにかが刺さった感じがした。


擦れた声の独特なザラつき感。
唯一無二の上質な声。紡ぐ詞。

心の中にひっかかるスガ シカオの、
ザラザラとした詞と声が・・・
耳に心に、心地いい。

ゾクッとするような色気が漂う。
こりゃあ・・・
女子ならほっとけないって気持ち、分かるわな。


リリックも、自身がおっしゃる通り、確かに一流。
ミュージシャンの、音楽の・・・深さってヤツだね。
ザラザラした擦れた声と、シャープに刻む詞と、
タイトな音とがもたらす相乗効果は、
「スゴいっ!」としか言いようがなかった。

エッジの効いた歌詞は、
聴いていてほんとに気持ちいい。

雲と雲の切れ間から 差し込んだ光の筋
その透きとおったオレンジが 空と街をつないでいる


歌い出しのトコで、いきなり魂をグシャリとされてしまう。
ここが、いちばん好き。キュンとなる感じで。

・・・参りました。
今、ヘビロテです。



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by kurin1022 | 2011-03-01 11:10 | 音楽 | Comments(2)

放熱の彼方

「そんなトラウマをかかえて 
 僕が不能にならなかったのは
 父の血だとしか言いようがないか・・・」

性質って継いじゃうもんなんだな、やっぱり。
やまだないとの描くマンガを読み、
DNAってすごいや・・・と思ったことがある。


この時、私は・・・
このDNAってヤツを、すごく意識した。
陳腐な言い方をするならば、「鳥肌が立つ」ほどに。
・・・彼の歌声が耳に届いてきたその瞬間に。

尾崎裕哉氏の歌った『I LOVE YOU』。
その歌声を聴いた時、
一瞬、体が動けなくなってしまった。

その歌声が、あまりにも・・・
父、尾崎豊に似ていたから。

尾崎豊が亡くなった時、裕哉氏は二歳。
もうすぐ、二十回忌を迎える。

見ていてください。お父さん。
・・・そう語ったこのCMに、
キュンと胸が締め付けられた。





先日、『放熱の彼方』という尾崎豊の特番を観た。
私は、彼のことを詳しくは知らない。

観ていて思った。
彼の歌には、他人はいないんだな、と。
常に自己中心に・・・“自分”を歌っている。

きれいごとは歌っていない。
自分を美化もしていない。
弱い自分を切々と歌う、一人称の歌。
聴いていたら、自然に自分の歌になって届いていた。


観ていて切なくなってしまうほどに、
ストイックに己を追求し続けて、
いつも何かに苦しんでいるような彼の姿があった。

「俺も今年で26になるんだ。
 26になっても、まだ同じようなことを考えてるんだ。
 街角で人混みや雑踏の中にいると、
 やっぱり叫びたくなっちまうんだ」

「ガキっぽいかもしれないけどよ。 
 それが俺のロックン・ロールだ」

命を削るように叫ぶように全身で歌う。
弱さを吐露し、泥臭いロックン・ロールを歌う。
こういう人は、今の時代・・・もういないかもしれない。


「僕が僕であるために」
尾崎豊は、高らかにそう歌った。

「自分は、音楽で何が出来るんだろう」
そう、自身に問いかける、
父に似ている端正な横顔の裕哉氏を重ねる。

偉大なる父のDNAを受け継いだあなたは、
父の影を求められてしまうだろう現実を、
どう感じて消化しているのだろう。
ふと(老婆心ながら)、そんなことを考えてしまった。

「あなたがあなたであるために」
・・・そっと、そう思った。


ハナシ変わって・・・
先日、吉祥寺の風呂ロックで、
せっちゃんのお約束の下ネタに、クスクス笑った。
なぜだかちっともやらしく感じないエロ話を、
楽しそうに話すせっちゃん。
こういう空気感にしちゃうことって、
一つの才能だよねえ・・・と思う。

「オギャー!オギャー!」と返す中で・・・
ふっと、ぼんやり思った。
そうか・・・彼は、父親なんだよな。
DNAを受け継いだ男の子がいるんだよな。

ハイハイしてきた息子が、
この長い足に可愛くまとわりつくんだろうな。
「立った~!」「こっちまで歩いておいで~!」と、
満面の笑顔で喜ぶんだろうな。
父親の顔の彼が、あれこれ浮かんできて、
いろいろぼんやり思っていた。
(それにしても・・・足、長っ!
 やっぱ、ジーンズの裾は切らないんだろうな、とか。
 ・・・カンケーないけど)

お父さんだから、こんなに大きく見えるのかな。
働くパパは男だぜえ。
そんなことをほんわか思いながら、
彼の・・・“優しい父親の顔”を観ていた。

でも・・・どのみち・・・
妻子持ちの40男が言うセリフじゃあないよ、せっちゃん(笑)。
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by kurin1022 | 2011-02-18 21:05 | 音楽 | Comments(8)



日々のあわ
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