どっちだっていいか 満月だ

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あいまいにあまい愛のまにまに

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その日をとても楽しみに待っているんだ。
もうすぐ我が家に「ヒカリトカゲ」がやってくる。
ぴかっと光るトカゲがやってくる。

昨年、私にいちばん届いたライブだった。
ハナレグミの武道館「あいのわ」。
初めて生で聴いて震えた・・・あの永積ボイス。

TOUR あいのわ
「タカシにはその器はないんじゃないかしら・・・」と母は言ったのであった。


あの日の夜のあの気持ちが、また蘇るんだ。
もうすぐ・・・。

「光と影」「きのみ」を聴いたら、
きっとまた・・・泣くんだと思う。

ライブDVDと一緒にやってくる「ヒカリトカゲ」。
君と会える日を、ほんとに楽しみに待っているんだからね。


ほんとは ききたいこと いっぱいあるけど
なにも なにひとつぶも 言えなくなるのさ

にじんだ空に つぶやいてみる
「あいまいにあまいあいのまにまに」


ヒカリトカゲがきっと・・・
泣きたくなるくらいにあまい声と、
「春」も一緒に連れてきてくれそうで。
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by kurin1022 | 2010-02-23 11:30 | ハナレグミ | Comments(8)

イチジクとマスカルポーネチーズと蜂蜜

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「星空の下のひなた。」   樋口直哉  

「可愛い!」
猫を抱えた絵が目に飛び込んできた。
装丁があんまりにも可愛いくて手に取ったこの本。

不思議な世界に連れて行かれた小説だった。
15年前の中学生の自分と今の自分が、
猫の「ひなた」を中心にシンクロしているSFチックな話。

中学生だった頃、
電車に揺られ初夏の美しい風景に包まれながら、
僕と彼女と「ひなた」とのんびりゆったり
彼女の田舎を訪れるシーンは、
ほんわかして温かい気持ちになった。
胸の中に青春の甘酸っぱい風が吹き渡っていった。

「約束とパイの皮はすぐに破れるって言葉を
 聞いたことがあるけど、僕はそう思わない。
 小さな約束を守ることが結局、
 大きな何かを育てることに繋がっていくんだ。
 だから小さな事でも約束することが大事なんだよ」

未来は見えない中学生の二人。
小指を絡めて約束するこのシーンが好き。

15年前に成し遂げなかったことが、
最後にやっと果たせたのかな。


料理人だったという作家。
時折、いくつもの料理が顔を出した。

ガーリックの匂い。オレンジの香り。チーズの匂い。
美味しそうな空気に幾度も包まれた。


マーマレードは簡単で美味しそう。
作ってみたくなった。
 
マーマレードを作ることはそう難しいことではない。
まず、皮を細く切る。
鍋で湯を沸かし、二度ほど茹でこぼす。
煮えるのを待っているだけで心が安らぐ。
それをボウルにあけて、
オレンジジュースをひたひたに注ぐ。
グラニュー糖をスプーンで五杯ほど足し、
電子レンジで一分半加熱した。
部屋は柑橘の匂いで一杯になる。平和な香りだ。
まだ熱いうちに極少量の粉寒天を振り入れて、
スプーンでよくかき混ぜて溶かさなければいけない。
粉寒天の量は一gと決めている。
少し冷ましてからラップをかけて冷蔵庫にしまうと、
朝にはマーマレードができている。


オレンジの皮は何個分で作ったかは不明だけど。
一度作ってみて、量を決めることにしようか。


あと・・・これはほんとに美味しそう!
イチジクの季節になったら絶対にやってみたい。

イチジクの薄い皮を剥き、八つに切って皿に並べ、
横にホイップクリーム状のマスカルポーネチーズを
スプーン二杯分くらい盛って、蜂蜜をかけた。
こういう足りないものはないし、
余っているものもない組み合わせを見つけるのは
なかなか難しい。


イチジクとチーズと蜂蜜。
なんて素敵な組み合わせだろう。

イチジクは「自分へのご褒美」にしてる。
娘と夫は好んで食べない。
「また、ご褒美買ってきたの?」と娘。
「なんのご褒美なんだろうね~?」
夫と娘と二人で笑ってる。


今年のイチジクの季節は・・・
「とっておきの自分へのご褒美」にしちゃおうと、
今から秘かに決めているんだ。
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by kurin1022 | 2010-02-18 16:05 | | Comments(6)

プリズム

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「プリズム」   野中 柊

夫に対する思慕は、共に暮らす年月を重ねれば重ねるほど、
穏やかに深みを増していく。なにがあっても失いたくない絆。
それは自分の心にあらためて問うまでもなく、
疑いようがない。たしかなことだ。

でも、そのたしかさこそが、私に恋しいひとをさらに恋焦がれるよう、
おそれずに会いに行くよう、そっと後押ししているのかもしれない。


何とも独り善がりな自己分析で不倫する妻の話。
優しい夫に対して後ろめたさはある。
そして、夫の裏切りには気づいていなかった。
結婚という制度の中で。安穏として。
自分は守られているのだ、と信じて。

勝手な話といえば、その通り。
恋するのは自由だし、W不倫なわけだし、傷つく子供はナシだし。
どうぞご勝手に・・・という読後感は否めない。

私は彼の元を去るかもしれない。
ひとりで生きることを選んだ方がいっそ清々しいのではないか。
光の分散。虹のように。自分の色を見つけたい。


そんなとっても綺麗でさっぱりしたジ・エンドに、
リアリティーは感じられなかった。

恋する胸の高鳴りや心の揺れは丁寧に描かれていて、
恋するせつなさは充分すぎるほどに伝わる。

決して切れない絆があるならばまた出会えるかもしれない。
その可能性に賭けてみたい、と夫婦の別れを決めるくだり。
拍子抜けするほど物足りないし綺麗事に感じてしまう。

絆を断つことにもっとじたばた取り乱して欲しかったし、
傷ついた心の弱さ、脆さも、ちゃんと欲しかった。
みっともないほどにもたもた悩んで欲しかったのだ。


私がいちばんキョーミを惹かれたのは
恋はしないと言った異母妹の梨香だった。

だれかを裏切ったり、裏切られたりってことは、
人生で最高の贅沢じゃないかなあ?

だって、そもそも愛がなければ、裏切りだってないわけだもんね。
愛に恵まれただけでもすごいことなのに、それでも満たされなくて、
裏切りをやらかすわけでしょう?

なんだかギャンブルみたい。気前いいなあって思う。
すべてを失う可能性だってあるはずなのに、自分の運を妄信して、
生命力と感情を惜しみなくじゃんじゃん使ってるって感じだよね



別れた夫婦に、時を経ても決して切れない絆があったかどうかは、
とりたてて知りたいとは思わなかった。

「恋はしない」と言った二十歳の彼女が、
時を重ね恋にどっぷりおちるという話の展開での
その後を勝手に想像していた。
彼女にこそ、まっすぐな光の中の愛に出会って欲しい。

まっすぐな光。透明だ。色は見えない。
でも、私は知っている。目を閉じれば、感じられる。
光の中に、決定的な、それぞれの色があることを。

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by kurin1022 | 2010-02-14 15:35 | | Comments(2)

「男は黙ってヒデオ・ノモ」

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人生の宝物ともいうべきひと言を、60人が綴ったエッセイ集。
かけがえのない「何か」を思い出させてくれるひと言たちでいっぱい。
私の心に届いたひと言を記しておこう。


「いろいろあるさ」          重松 清

僕は同級生のSくんの「いろいろあるさ」で救われていたのだ。
僕の怒りを決して否定するわけではない。
受け止めてくれる。うなずいてくれる。
そのうえで「でもさ・・・」と笑って、「いろいろあるんだよ」
ともう一度、もっと大きくうなずくのだ。
そのときの、ムカつくような、ホッとするような、
微妙で複雑な心地よさは、いまも忘れられない。

Sくんは、自らの意志で世を去った。
あいつ、自分の人生に対して「いろいろあるさ」を
言ってやれなかったのだろうか。バカだな。
でも、いつも言われっぱなしで、肝心なときにお返しの
「いろいろあるさ」を言ってやれなかった僕は、
もっともっと、サイテーのバカだな。

だから、僕は「いろいろあるさ」を形にした小説を
書きつづけている。
ひとを責めたり断罪するのではなく、
許すための物語を書きたい、といつも思っている。
親子も、夫婦も、友だちも・・・いろいろあるさ。

重松氏の小説のどこまでも優しいその視点の、
根底にあるものに触れたような気がした。
もっともっと読んでみたいと思う。
たくさんの「いろいろあるさ」に、もっともっと触れてみたい。




「男は黙ってヒデオ・ノモ」          二宮清純

「僕はアメリカに英語を覚えにいくわけではない。
 野球をやりにいくんです」


英語が得意でないことを話題にされた時、
メジャーリーガーのパイオニア、野茂英雄は
おもむろに冒頭のセリフを口にした。
私が野茂のメジャーリーグでの成功を確信した瞬間でもあった。
この一言は今でも私の耳の奥にこびりついて離れない。

余りあるほどの名声と栄光を手にしながら、
しかし、彼は過去を振り返らない。
ただ前だけを見つめている。
そして今やらなければならないことを黙々と
こなし続けている。

野茂の口から言い訳や弁解がましい言葉を
聞いたことは一度もない。
男は黙ってヒデオ・ノモ。
いくつになってもこの男は変わらない。
彼こそは平成の時代に生きる本物のサムライである。

ヒデオ・ノモが出ているコマーシャルの、素人臭さが好き。
この人は、ほんとうに世界に誇れる日本人だと思う。
活躍と一緒に、その謙虚な性格も。シャイな笑顔も。

スポーツジャーナリストの二宮氏の放ったそのひと言に、
私のアンテナがひっかかった。
もう、このひと言に尽きるよね、清純さん!
その通り!・・・って思わず頷いた。
短い言葉で充分過ぎるほどに届いてしまった。
私の、とっておきのひと言はまさに・・・これ。


「男は黙ってヒデオ・ノモ」



娘が、図工の時間に作った作品を持って帰ってきた。
“アルミが変身・・・アルミ缶を利用した工作”

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                  作品名 「いろんな花がなる庭」

「立つように花をつけるのがむずかしかったです」 
ひと言、カードに添えてあった。

「いらないから、捨てちゃいな」と娘が言った。
「お父さんの本棚の部屋に飾るよ。
 せっかく作ったんだからね」と私が返した。

またひとつ・・・たくさんの作品たちがいる部屋に、
今日から仲間入りだね。

「そうなんだぁ」
ぱっと花が咲いたような明るい声。
にこにこしながらおやつを食べ始めた。

「本棚の部屋に素敵な花が三つ咲いたよ」
お父さんが帰ったら・・・ひと言、そう伝えようか。
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by kurin1022 | 2010-02-09 12:45 | | Comments(12)

再会 「Long Long Ago」

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重松清氏の本を手にする時は、
ティッシュペーパーの箱は
必ず手の届く所に置いておかないと。

この本も、然り。
何度も何度も、目の中に湖が出来ては・・・
溢れ出した。

六つの話の短編集。
ひとつひとつが、丁寧に心に届いてくる。
「遠い遠い昔」に感じたこと。忘れられない痛み。
それらを思い出し向き合い「再会」することで
自分を再生出来ることって・・・確かにあると思う。


『ホラ吹きおじさん』

私の胸の中の「余り」の部分が大きく揺さぶられ、
幾度となく湖の水が溜まってしまい
文字が見えなくなってしまった。

後悔や、心残りや、
言いそびれたままになってしまったことは、たくさんある。
割り算の答えの「余り」のように、
どうにも収めようのないものが胸にいくつも残ってしまう。
それが生きるということだ、と割り切ろうとするそばから、
苦い半端なものが胸に溜まる。


人は、傷つきすれ違ってしまうことが、
生きていればどうしても訪れてしまう時がある。
もともとは気の合う仲間だったので、昔を懐かしむ。
同時に、過去のすれ違った時間にも「再会」する。

どんなに酔ってもその時間のことは口にしない。
恨んではいないが、忘れてもゆるしてもいない。
それでいい。そうやってそれぞれの人生を生きていく。
寂しいことかもしれないけどな、とまた一つ、
「余り」が胸に降り積もる。

おとなになるというのは、
「余り」の出ない割り算を覚えるのではなく、
「余り」を溜め込んでおく場所が広くなる、
というだけのことなのかもしれない。



『永遠』


人から見たら何でもない時間が、
その人にとってはかけがえのない思い出だったりする。
人の大切な思い出に付き合っていくうちに、
自分の思い出にもきちんと「再会」することになった。

「大切なことを教えてくれてありがとう、シノケン」って
言いたい気持ちに包まれた。

「再会」することは・・・
自分自身にもう一度「再会」し
自分の中でもう一度再生するっていうことなんだね。

生きている限り、「余り」は消えることはないだろう。
でも・・・自分自身に「再会」し再生することは出来るんだよね。
いつだって。何度だって。


『ロング・ロング・アゴー』

「俺、なにを間違えちゃったんだろうかな」

幼なじみのかけた言葉が優しい。
「間違えてないよ」
「間違えてるひとなんて、誰もいないと思うよ」
「間違えなくても、うまくいかないこととか、
 どうにもならないことってあるよ」

その後の台詞は、
また文字が見えなくなってしまった。



この冬、初めて雪を見た。
昨夜から降り積もった雪は、
晴天になった今日には
溶けてしまい跡形もなくなるだろう。

私の胸に降り積もった「余り」は
自分できちんと付き合っていくから、
時に積もってしまうこんな哀しみなんて
一緒に溶けてしまえばいいのに。

それだけで、もう、充分なのに。

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by kurin1022 | 2010-02-02 15:35 | | Comments(6)



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