どっちだっていいか 満月だ

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放熱の彼方

「そんなトラウマをかかえて 
 僕が不能にならなかったのは
 父の血だとしか言いようがないか・・・」

性質って継いじゃうもんなんだな、やっぱり。
やまだないとの描くマンガを読み、
DNAってすごいや・・・と思ったことがある。


この時、私は・・・
このDNAってヤツを、すごく意識した。
陳腐な言い方をするならば、「鳥肌が立つ」ほどに。
・・・彼の歌声が耳に届いてきたその瞬間に。

尾崎裕哉氏の歌った『I LOVE YOU』。
その歌声を聴いた時、
一瞬、体が動けなくなってしまった。

その歌声が、あまりにも・・・
父、尾崎豊に似ていたから。

尾崎豊が亡くなった時、裕哉氏は二歳。
もうすぐ、二十回忌を迎える。

見ていてください。お父さん。
・・・そう語ったこのCMに、
キュンと胸が締め付けられた。





先日、『放熱の彼方』という尾崎豊の特番を観た。
私は、彼のことを詳しくは知らない。

観ていて思った。
彼の歌には、他人はいないんだな、と。
常に自己中心に・・・“自分”を歌っている。

きれいごとは歌っていない。
自分を美化もしていない。
弱い自分を切々と歌う、一人称の歌。
聴いていたら、自然に自分の歌になって届いていた。


観ていて切なくなってしまうほどに、
ストイックに己を追求し続けて、
いつも何かに苦しんでいるような彼の姿があった。

「俺も今年で26になるんだ。
 26になっても、まだ同じようなことを考えてるんだ。
 街角で人混みや雑踏の中にいると、
 やっぱり叫びたくなっちまうんだ」

「ガキっぽいかもしれないけどよ。 
 それが俺のロックン・ロールだ」

命を削るように叫ぶように全身で歌う。
弱さを吐露し、泥臭いロックン・ロールを歌う。
こういう人は、今の時代・・・もういないかもしれない。


「僕が僕であるために」
尾崎豊は、高らかにそう歌った。

「自分は、音楽で何が出来るんだろう」
そう、自身に問いかける、
父に似ている端正な横顔の裕哉氏を重ねる。

偉大なる父のDNAを受け継いだあなたは、
父の影を求められてしまうだろう現実を、
どう感じて消化しているのだろう。
ふと(老婆心ながら)、そんなことを考えてしまった。

「あなたがあなたであるために」
・・・そっと、そう思った。


ハナシ変わって・・・
先日、吉祥寺の風呂ロックで、
せっちゃんのお約束の下ネタに、クスクス笑った。
なぜだかちっともやらしく感じないエロ話を、
楽しそうに話すせっちゃん。
こういう空気感にしちゃうことって、
一つの才能だよねえ・・・と思う。

「オギャー!オギャー!」と返す中で・・・
ふっと、ぼんやり思った。
そうか・・・彼は、父親なんだよな。
DNAを受け継いだ男の子がいるんだよな。

ハイハイしてきた息子が、
この長い足に可愛くまとわりつくんだろうな。
「立った~!」「こっちまで歩いておいで~!」と、
満面の笑顔で喜ぶんだろうな。
父親の顔の彼が、あれこれ浮かんできて、
いろいろぼんやり思っていた。
(それにしても・・・足、長っ!
 やっぱ、ジーンズの裾は切らないんだろうな、とか。
 ・・・カンケーないけど)

お父さんだから、こんなに大きく見えるのかな。
働くパパは男だぜえ。
そんなことをほんわか思いながら、
彼の・・・“優しい父親の顔”を観ていた。

でも・・・どのみち・・・
妻子持ちの40男が言うセリフじゃあないよ、せっちゃん(笑)。
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by kurin1022 | 2011-02-18 21:05 | 音楽 | Comments(8)

かがやきの瞬間

恵比寿の東京都写真美術館で、
「かがやきの瞬間」という新進作家展を観た。


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中村ハルコさんの、
イタリア・トスカーナ地方の風景や暮らしを撮った「光の音」に、
どんどん・・・胸が潤んでいった。
優しい光に包まれた、
優しい匂いのする写真だった。


観ていたら・・・
なぜだか、ふっと、思春期の娘の「今」を重ねていた。

「なぜ変わりたいの? そのままでいいのに」

青い春の光の中にいるあなた。
あなたの・・・
知らない光を観にいこうとするそのスピードの速さに、
驚きながら・・・気づかないようにする私。

傍で観ている私は、
あなたの「光の音」の変化に、
ちゃんと気づいているのかな。
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by kurin1022 | 2011-02-12 11:03 | 日々のあわ | Comments(14)

“おやすみ”を、オカリナで奏う。

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ひょんなことから、オカリナを練習中。

ある日の出来事。
職場の隣の席のメンズが、
いきなりカバンから、“それ”を取り出した。
高価そうな、土で出来た“オカリナ”だった。

「疲れてイライラしてきたから、ちょっと息抜き」
そう言って、ドレミファソラシドと奏でた後、
“バラが咲いた”を吹いてみせた。
(彼の唐突な行動に、目が点になった私でした)

「お義母さんからもらったんだ。早くマスターしなきゃ・・・」
マスオさん状態の彼なりの事情があるんだねえ・・・。
値段を聞いて、ちょっと(かなり)驚いた。

「私も持ってるよ。
 こっちは、お義父さんからのお土産だけど。娘にね」
「じゃあ、なんか一曲練習して、職場のかくし芸で披露しようよ」
ふらり・・・と部屋に入ってきたTさん。
「私もあります。自分で作ったやつ。学校で」

・・・というわけで、“チーム・オカリナ”が誕生した(メンバー三人)。


課題曲は、“バラが咲いた”なのだけど・・・
ふと、この曲が吹いてみたくなった。
斉藤和義の“おやすみ”・・・とても優しいこの歌。

先日の“風呂ロック”で、久しぶりにこの歌を聴いた。
この日、心の奥までじんわり沁みていった曲。
鍵盤を弾きながら、和義さんが優しく歌ってくれた。

丁寧に紡いだ温かい詞。優しいメロディ。
どんどん胸が潤んでいき、
ゆったりした優しい気持ちに包まれた。

「だからおやすみなさい いい夢を
 すぐに春は来るから そばにいてあげるよ」


優しく歌った後に・・・
そっと両手を膝にのせて、ペコリときれいなお辞儀した。
その時見せた、彼の照れたような優しい表情。
忘れられない大切な思い出。


娘に和義さんの“おやすみ”を聴いてもらい、
ピアノで弾いて楽譜に落としてもらった。
小さい頃からヤマハの音楽教室に通って、
「なあにちゃん、こんにちは~♪」と歌ってたことも、
まんざら無駄にはならなかったのかねえ・・・と思う。
(ちびっこ英会話は、カネをドブに捨てたようなものだし、
 他にも、そんな無駄金の空しい記憶が・・・。
 今思うに・・・なんてもったいないっ!)

私は、そういう才能はゼロなので、
三回目には左手もテキトーなアレンジを付けて、
ポロポロきれいに弾いてみせた娘に、
(親バカだけど)ちょっと感心してしまった。

“おやすみ”・・・この優しいメロディは、
想像以上に、オカリナの音色に合った。
なんだか、ほんのり嬉しくなった。


ああ、それにしても・・・
あの日の和義さんのブルースハープを吹く顔は、
なんてセクシーだったんだろう。

スーハーの息づかいも。
その度に動く(思いの外、太かった)首も。
くっきり浮かんだのど仏の動きも。
そして・・・
ハープに“ブチュー”の・・・あのクチビルも。

ああ・・・なんて色っぽい男なんだろう。
(オカリナが・・・結局、最後はそこかいっ!)

まだまだ・・・現実には戻れそうにありません。
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by kurin1022 | 2011-02-09 14:20 | 日々のあわ | Comments(8)

吉祥寺の弁天湯でのぼせた夜

すぐ目の前にいる彼の息づかいまでもが、
しっかり届いてくる。

やっぱりここは・・・銭湯なんだな、と我に返った。
夢のようなこの空間に包まれている今が、
現実なのか夢なのか分からなくなってしまうほど、
すっかりのぼせてしまった夜だった。
リバーブの効いた潤んだ歌声に包まれた・・・
魔法の時間だった。


「斉藤和義@吉祥寺・弁天湯 “風呂ロック”」

和義さんの気持ちいいほどにどこまでも響き渡る歌声と、
アコギのざっくりとした音にゆったりと包まれる。
レトロな銭湯の高い天井いっぱい・・・幸せな音が広がっている。
(湯加減よろしく)ポカポカと心がどんどん温まっていき、
しっとり潤んでいった。


・・・気がつくと、取れていたチケットだった。
そんな“運”をありがたく受け取り、
和義さんの“風呂ロック”に行ってきた。

WEBチケットを頂きに、弁天湯に行く。
後ろから数えて8番目くらいだった。
「抽選です」とのこと。
お兄さんの持った袋から、紙を1枚引いた。
「すごいっ!1番だ!」と言われた。
 
運が良いことには(とても)慣れていないので、 
「これってすごいんか・・・」と呆然としていたら、
「番号順に並んで下さい」と言われ、
Aと書かれたチケットを頂いた。

夕方になり、整列時間。
「Aの方はこちら」とのことで、ゆらゆら歩いていく。

・・・気がつくと、弁天湯ののれんの前から続く、
長い長い列の先頭に立っていた(人生初)。

・・・そして、気がつくと、
弁天湯ののれんを、いちばん最初にくぐっていた(男湯にした)。

富士山の絵の前に置かれたマイクスタンドの前で待った。
湯船の上のステージは、50センチほどの目の前。
手が届いてしまうくらいに近い。
こんな目の前に、もうすぐ“彼”がいるんだ・・・。
「はぁ・・・。どうしましょう・・・」と、一緒に観たMさんと、
顔を見あわせ立ちすくんでしまった。


ふらり・・・と和義さんが登場。
目の前に座る。
ストライプのTシャツと黒のジーンズ。
「お前、寝癖すごいじゃん!」と言われそうな感じの、
無造作なくしゃ髪。無精ヒゲ。

完璧なまでの・・・スッピンな素の和義さん。
そのことが、いっそう、ドキドキを増長させてしまう。
ちょっとヨレた感じのする素顔のユルい彼は、
ほんとうにセクシーだった。

「ハーモニカ横丁あたりにいる兄ちゃんじゃん!」って、
知らない人にそう言われそうな感じさえするナチュラルさだ。
(吉祥寺にはいそうな感じがするが、
 周りの風景を変えて見せてしまうような、
 不思議なオーラを持った男は、きっと・・・彼しかいない)
そんな自然な素の彼が・・・この夜、眩しすぎた。

今更ながら・・・
「色気のあるカッコいい男だなぁ」とクラクラしてしまった。


徐々に汗ばんでいく首筋も(反則でしょう!)、
マイクを通さないささやき声も、
ニヤリと笑う顔も、思いっきり笑った彼の顔も、
すぐ目の前で観ていた。

男湯と女湯の仕切りが、富士山の真ん中。
その真ん中にある椅子に座り、アコギを抱え歌う。
真ん中から15°くらい男湯寄りに譜面台を置いた。
よって、真っ正面ではなくて、15°斜めを向いて歌った。
つまり・・・彼の向ける視線のいちばん前に、
私はいた。

「えーと。うーん。・・・あ、これにしよ!」と、
かがんで譜面をペラペラとめくること数知れず。
その時の彼の視線の先には・・・私の瞳。
その度に、そっと・・・
私は視線を落とした。

彼にじっと見つめられてしまう(勝手に言わせて!)、
そんな照れからじゃない。
彼の瞳があまりにも綺麗で、
あまりにも真っ直ぐで、
こちらから見つめ返すことは、
どうしても出来なかったからだ。

彼の一生懸命な、まあるい綺麗な瞳を、
すぐ前で真っ直ぐにじっと見つめることは、
なぜだかとても悪いような気がして・・・出来なかった。
そんな気持ちに包まれた。

そんな瞬間が、歌い終える度に訪れる。
短いけれど、なぜだか・・・
キュンと優しい気持ちに包まれる一瞬の時間だった。
幾度も幾度も訪れて・・・
泣きたくなるほどに満ちていた。


「何を歌うか決めていない」とにっこり微笑み、
「(終わるのが)早いよ!」の声に、
「その『早い』って言葉、ドキッとする」と笑い、
「今度はもっと、長く頑張るから」と、得意の下ネタを、
近くの人にしか届かないような小さな声で、
嬉しそうに楽しそうにささやき、悪戯っぽく笑う。

ゴツン!とギターマイクにぶつかる度に、
ごめんねと両手を胸の前に合わせ、はにかむ。
鼻をかみ、顔を拭き、水を飲む。

吉祥寺に住んでいた頃の話や、
弁天湯の思い出を、懐かしそうに話す笑顔。

目をつむりギターを弾きながら歌う。
気持ちいいくらいにどこまでも伸びていく歌声が響く。

そんな彼の姿を、遮るものなくずっと観ていると、
二人きりか、もしくは数人で・・・
彼の歌声に耳を傾けながら彼を囲んでここにいる、
そんな気持ちにさえなってしまった。
・・・いい湯加減に、すっかりのぼせてしまった。


吉祥寺の思い出を重ねて創ったという『郷愁』や、
久しぶりに聴けた『おやすみ』や『アメリカ』も、
嬉しかった。

「これ、弾き語り・・・いけるかも」
歌い終えた後、小さな声で嬉しそうにそう話した
『Are you ready?』の・・・繰り返すギターのリフ。
そのカッコいいことったら!
リフを繰り返す度にする首をすくめるような仕草の、
その男臭さが、なんともカッコいい!
目が釘付けになってしまう。


アコギ一本で、こんな空間を創り出してしまう。
彼の“大きさ”を、たっぷりと肌で感じた。
間近で観た彼の腕の(想像以上の)たくましさや、
だんだん汗ばんでいった白い胸板も、
(思っていたよりずっと)たくましいと感じた夜なのでした。
(あばらの胸板なんて・・・もう言いません)

レトロな銭湯のまったりした空気感も手伝って、
この日、会場のみんながゆったりとしていたと思う。
一人一人がゆったり空間を保ち、
いちばん前でも、押されるどころか、
体が触れあうことすらなかった。
どこからも見えたであろう高いステージも、とてもいいね。

「この距離・・・どうしましょう」と周りの方と笑いながら、
彼の登場をソワソワウキウキしながら待った。
「夢みたいね・・・」と、終わった後、にっこり笑いあった。
ゆったりと楽しんだ、いいライブだった。


アンコールの前の最後に・・・
彼は、優しくこう歌った。

「今はただ 君の言う通り
 それが本当の幸せなのかも」


吉祥寺に住んでいた頃に通っていた馴染みの銭湯で、
自然に飾らずに自身のロックを弾き語っていた。
そんな和義さんのことを、
ほんとうに好きでよかった・・・心から、そう思った。

・・・気がつくと、彼の投げたピックは、
私の手の中にあった。

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帰りの電車に揺られながら・・・
『ソファ』の優しい歌声が、頭の中で繰り返された。
温かい気持ちで満ちていた。
あとは・・・
咳をしていた娘の風邪が、スキー学校までに、
ちゃんと良くなりますように。
・・・そう、願った。

「そんなこんなで結局また同じ
 元いたところに立っている」



2011/2/3 “風呂ロック” SET LIST

 1  僕の見たビートルズはTVの中
 2  tokyo blues
 3  Don’t cry baby
 4  空に星が綺麗 ~悲しい吉祥寺~
 5  嫌いになれない
 6  愛に来て
 7  Are you ready?
 8  映画監督
 9  月影
10  おやすみ
11  アメリカ
12  郷愁
13  Stick to fun! Tonight!
14  罪な奴
15  ソファ

en1 ずっと好きだった
en2 アゲハ
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by kurin1022 | 2011-02-06 16:13 | 斉藤和義 | Comments(20)



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